「仕事のストレス判定図」におけるストレスの考え方

・健康に影響を与えるような精神的・心理的な負担を一般に「ストレス」と呼びます。仕事上のストレス要因(ストレスの原因)は、精神的(イライラなど)・身体的(血圧の上昇など)なストレス反応を引き起こし、これが長期に続くと健康への影響がおきます。

・「仕事のストレス判定図」では、4つの仕事上のストレス要因に注目して、ストレスの大きさとその健康への影響を判定します。

・このうち2つは「仕事の量的負担」「仕事のコントロール(裁量権または自由度)」です。仕事で求められる作業の量やスピードに比べて、自分の裁量権や自由度が限られている(仕事上のコントロールが低い)場合に高ストレスとなり、健康上の問題がおきやすくなります。仕事のコントロールが高い管理職にくらべて、作業の進め方ややり方が限定されている製造ラインの作業者ではわずかな作業量の増加でもストレスになりやすいのです。また高ストレスの人たちは忙しいように見えて、生産性があがっていないと思われます。忙しい仕事でも従業員に自分で判断したり工夫したりする裁量権が与えられている場合にはストレスが少なく、生産性も増加すると考えられています。

 

・残り2つは「上司の支援」「同僚の支援」です。上司が職場をうまく管理している場合や、必要に応じて部下の相談などにのってくれる場合、つまり上司の支援が高い場合に仕事上のストレスは少なくなります。また、一緒に仕事をしている職場の同僚が困った時に助言をしてくれたり、相談にのってくれたりする場合、つまり同僚の支援が高い場合に仕事のストレスは少なくなります。

 

・仕事のストレス要因は、イライラ、仕事の満足度の低下だけでなく、健康診断有所見者(血圧や血糖値など)、さまざまな病気(心臓病、糖尿病、消化性潰瘍、腰痛など)の発生、疾病休業日数の増加など従業員の健康と大きな関係があります。この4つの仕事のストレス要因を測定して「仕事のストレス判定図」にあてはめることで、その職場で仕事のストレスによって生じている健康リスクの大きさを知ることができます。