判定図Q&A

1.一職場何名くらいから使用できますか?

 職場や作業グループが何名いれば使用できるかという最低ラインは設けてありませんが、だいたい1グループ20名以上の使用を想定していますが、10名程度まではなんとか使用できるようです。調査票に回答した人数が少なくなると誤差が大きくなること、また個人差の影響が強くなってくる点に留意してください。

2.個人の仕事のストレスの評価には使用できますか?

 判定図は集団の仕事のストレスの評価を意図して作成されたものですが、個人結果を判定図にあてはめることで、ある程度個人の仕事のストレス要因とその健康リスクの傾向を知ることができます。ただし、個人の判定には職場環境のとらえ方、ストレスへの対処の仕方の個人差や、家庭など職場外の要因が関係してくるために参考程度に考えてください。

3.健康リスクはどうやって求められたのですか?

約2万5千人を対象とした調査データに基づいて、それぞれの仕事のストレス要因と心理的なストレス反応(抑うつ)との関係から健康リスクの算定式が計算されました。その後の研究で、これらの仕事のストレス要因は、心血管疾患の危険因子(血清総コレステロールなど)や30日以上の疾病休業の発生を予測することが証明されました。これらの証拠から「判定図」は心理的ストレスから疾病休業までの広い範囲の健康リスクを推定できると考えています。

4.この他にも大事な仕事のストレスがあるのではないですか?

「判定図」でとりあげたストレス要因の他にも、仕事のやりがいのなさ、仕事の将来の見込みがはっきりしないことなど健康に影響を与える可能性のある仕事上のストレスがたくさんあります。「判定図」では簡便さを優先して仕事のストレス要因を4つに限定していますので、実際の場面ではこれ以外の仕事上のストレスも十分に考慮されなくてはなりません。しかし、「判定図」にとりあげた4つの要因によって仕事のストレス要因全体の健康影響の約1/3を説明できることが確認されていますので、「判定図」は職場での問題発見において満足できるツールであると考えます。

5.人数が多くないので男女一緒に判定したいのですが?

男性が多い場合には男性用の判定図を使用されるのがよいかと思います。この場合には量−コントロール判定図で女性のストレスがやや強めに判定される傾向がある点に注意してください。女性の多い場合には女性用の判定図を使用されるのがよいかと思います。この場合には逆に、量−コントロール判定図で男性のストレスがやや弱めに判定される傾向がある点に注意してください。